小さな願い

沈黙が何分続いただろう…



「ごめんね、俺、こんなことがあったのに、入学式のあの日に逃げてるだけだろうって言っちゃって…」



「ぅうん…」



「こんな事情があったかも知らずに…」



「守山くんは悪くないょ…あたしがいつまでもケジメをつけなかったから…」




 …



守山くんは黙ってしまった…



何を言えばいいのか分からず…再び…


沈黙が続く





気まずい沈黙にさらに心臓の音が加速する






「じゃぁ、あたし…そろそろ梨佳のとこ行こっかな…」



沈黙に耐えられなくなった亜衣は梨佳の所に行くと切り出した





しかし…



「待って」


守山くんに呼び止められてしまった




「な、何…?」