「亜衣、行こう!次、移動だよ~」


「あ、ごめん。待ってて~」


高校に入ってからは仲のいい友達もできた


中学時代から期待していた[高校の友達]

一緒に遊んだり、ふざけたり、何でも心から分かち合える友達がほしかった



でも、慎ちゃんと過ごした日々はそんなことさえも忘れたくらい


とても楽しかった。




「ごめん~おまたせ!」


「もう、亜衣はマイペースなんだから、遅れちゃうよ~」


梨佳がいつものように、教室の前で待っててくれていた

今年、梨佳と同じクラスになって仲良くなった

とても心やさしい、でも、時々おせっかい(笑




理科室に入ると皆はもう集まっていた




何か、騒いでるみたい



「ねぇ、ねぇ。どうしたの?」


輪の中に入っていた一人の男子に梨佳が聞いた



男子は亜衣をさらっと見てから、



「おい、皆、主人公の亜衣さんの登場だせ」



「ぇ…?何?あたし?」



事態に頭がついていけない、


皆に背中を押され、輪の中に入ってしまった。




「え、ちょっと、何?」



なぜか、そこには違うクラスの男子がいた