「ありがとう、ございます。亜衣はもう大丈夫です。」



「でも、多分始業式は終わってるな…」



「あぁああああ、始業式をすっかり忘れてた…」



「だろうな」




「本当にすみません」



「まあ、担任に怒られるだけだし…俺は別にだるいから、出たくなかったし」



初めて会う人なのに…どっかで会ったことがあるような気がした




多分この人があまりにも慎ちゃんに似ていたからだ



柔らかい香り、鞄の持ち方、


どれも、どれも…慎ちゃんにそっくりだった




でも、この人に会えたことで


亜衣の人生が変わったと思う




だって、君に出会えなかったら


立ちがることもできなかった…


それに、きっと…もう一度春に恋をすることもなかったと思う