縁側に座り、コーヒーカップ
に口をつける−。
編み物の手を休めた。

歳のせいだろうか
いや、
胸騒ぎのせいで集中力が途切れるのだ。

何かを長い時間続けて
いられない自分に
苛立ちの様な諦めの様な
気持ちが湧く。

そんな時、私の人生は
本当に幸せだったのだろうか
という疑問に到達する


今日は特にその疑問は重く
自分にのしかかっていた…


いつもと変わらない日常。

明日は二十歳の息子の結婚式。
奥さんとなる相手の方のお腹には既に新しい命が宿っている

息子を授かった時、
私は息子より遥かに若い17歳の世間知らずの小娘だった


俺は父さんの子供じゃないの?


軽率だったろうか−
自分の子供の人生を左右する
ことを知りながら…



これが物語の始まりである−