逸美が来て、半年近くが過ぎようとしていた。

あたしは無事に専門学校に入学して、普通の学校生活を送っていた。

普通じゃないのは、あたしの家庭だ。

夜毎響き渡る、あの女の怒号。

お母さんを殴りつける音。

お父さんは、朝方にしか帰ってこなくなっていたから、止める役はあたししかいない。

幸いあたしは、生き写しと言われた程に実父と似ているらしく、顔だけじゃなく体付きも実父譲りだから…

「離せくそガキ!!」

「てめえが離れろよ!!あたしのお母さんに何してくれんだよ!!」

逸美を押さえ付けては、お母さんを守った。