「あ-食った!!」

「お父さん食べ過ぎ(笑)」

「馬鹿言えいなせ、珠貴の料理は美味すぎるから嫌でも手が動く。」

「結局食べ過ぎなんでしょ!!」


あたし達の会話を笑いながら聞いていたお母さんが、ふと玄関に目をやって凍り付いた。


「あなたが…逸美さん?」


和やかな空気が一瞬で凍り付く。

振り返ったそこにいたのは、モデルのような女の人。

茶色い髪、大きな目に長い手足…

ただ、凍るような目をしていた。

その目であたし達を見ていた。