そしてとうとう、その日が来た。

「お父さん…」

「ん?」

「逸美さんって…何してる人?」

「知らない…別れて初めて、今日会うから。」

「緊張する?」


あたしの質問に、お父さんはにこりと笑って、あたしの頭を撫でた。

お母さんは相変わらずで、あたしとお父さんのやり取りを見てる。

逸美が住む部屋を片付けていた時、お母さんが久しぶりに笑った。

あたしの赤ちゃんの時の写真を見て、嬉しそうに笑ってた。


「いなせ」

「ん?」

「この先何があってもさ」

「うん。」

「お母さんは、いなせの味方だからね」


何だか嬉しくて笑って頷いたけど、お母さんは何か気付いてたのかな。