「拓〜!」 いつものように丘の上から鈴が駆け降りてくる 何度か転けたりしたクセに、絶対止めようとはしない 僕の目の前でなんとか止まって、ただでさえ大きな目をいっぱいに開いて僕の顔を覗き込む 栗色の髪は、最近は小さな三つ編みにできるくらいには伸びて 小さな体で何をするにも一生懸命だということはこないだ知ったばかり 初めての鈴はもっと小さく、縮こまって見えた