手に持っていた鞄を床に落として柘気はこっちに近寄ってきた。 大きなため息をしてから柘気はあたしに話しかけてきた。 「まだ…十夜のことが好きなの?」 今にも泣いてしまいそうな柘気の潤んだ瞳と少し震えている声にあたしは罪悪感を感じてしまう。 「柘気…違うのこれは」 「俺が追い詰めただけだ」 あたしの声にかぶってそう言った十夜くん。 あたしは十夜くんの方をゆっくり見ると十夜くんは睨むようにしてあたしを見下ろしていた。