狼王子に監禁されて

ダメだ…
十夜くんを見てると自分が自分でなくなってしまう。




絶対に開けないと誓った扉にあたしは手をかける。





「十夜くん…」





恥ずかしがって顔を自分の手で隠している十夜くんに話しかける。





十夜くんはあたしを見るために指と指の隙間からあたしを見た。





「なんだよ…」





あたしは顔を自分の手で隠している十夜くんの手を優しく握りしめて十夜くんの顔から遠ざけた。