「取り合えず落ち着くんだ亜美…」 そう言った人はまたあたしを優しく抱き締めてくれた。 頭の中がぐちゃぐちゃになっちゃっていて何も考えられない。 『亜…これを…で…憶を…すから…』 頭の中で誰かの声が何度も何度も聞こえる。 あたしを呼んでるの? あたしに何を言いたいの? 昔あった出来事なの? 服に染み付いた少し甘い香りがあたしの鼻をくすぐりあたしを癒す。