顔を下に向けていた柘気は顔を上げて俺を憎たらしい笑顔で見ていた。 「なぜそう思う?」 「俺が好きでもない女と婚約したのが憎いと思ってな…」 『すきでもない女』……か……。 柘気は嘘をつくと 瞳がゆらゆらと動いてしまう。 だから柘気は今…… 嘘をついている。 「柘気……お前」 俺は柘気に銃を向けた。 俺に嘘をついたから そして… 俺の愛してる人を奪ったから