扉が閉じるとともにあたしは体全部の力がスッと抜けてその場にしゃがみこんでしまった。 体が手が足が指が髪の毛すら聞こえるぐらいの鼓動があたしの耳元まで聞こえてくる。 手を耳に当てると 耳は熱くて手が脈を打っている。 『愛してる』 それだけの言葉が あたしの心の奥の錆びた扉につけた大きな大きな鎖を壊してあたしの本当の気持ちが溢れ出してきた。