二人を見ていると 見えない透明の壁が二人の間に入りこんでいるように見えてしまう。 柘気はあたしから目をそらしてあたしの体を自分から離し 少し黙ってから 真剣な顔で話し出した。 「兄弟だ…だけど俺はアイツが許せない… 憎いんだ…」 「なんで?」 本当の兄弟なのに そんなに嫌いなの? 柘気の顔は 苦しそうに見えてだけど 憎しみでいっぱいだった。