そう言うと十夜くんは
あたしの腕から手錠を外して部屋から出ていこうとした。





「十夜くん…行かないで」




気付いたらあたしの口から自然に出ていた言葉。





だけど
十夜くんは振り向かないし歩くのをやめようとはしない。





あたしはもう一度
『行かないで』って
言おうとした。





だけど





十夜くんの言葉で
あたしは出そうとしていた言葉をのみこんだ。