紅く染まった部屋。

紅く染まった身体。

紅く染まった包丁。


「・・・っと・・・さん・・・・・・・」


すすり泣く声。


「おと・・・・・さ・・・・・」


すすり泣く・・・・・私・・・。

目の前には変わり果てた父親の姿。

息はもうしていない。

温もりもだんだん消えていく。

「い・・や・・・いやだよ・・・・・お父さん・・・・・」

このとき、混乱していた私にわかってたことは・・・


お父さんは誰かに殺された


これだけだった・・・。

どうすることもできず、ただ私は泣くばかりだった・・・・・。