鏡越しに笑うと、またアイラインを引く手が早まった。 「了解ー」 廊下に出て階段を降りようとすると、後ろから加奈子が走って来た。 『じゃあね!』 軽く肩を叩かれたと思い、返事を返そうとすると凄い勢いで走って行った。 凄い焦ってるし…。 トイレから出て手を洗うと剥げたマニキュアが目に入った。 「面倒臭いなぁー」 一人呟いて、ポケットからリムーバーを出して爪に押しあてた。 冷たい嫌な感触が小さな爪を遅い、気持ちが悪かったからそのまま水で流した。