さっきからあたしをぐいぐい押してくる、この積極的な子は親友の加奈子。 すらっとした足を強調させる短いスカートに、軽く巻いた髪の毛、そして綺麗な小悪魔のような顔。 もちろん彼氏もいる。 奇跡的にも同じクラスになった、沢田颯太。 『あ、そうだ。楓ごめん、今日一緒に帰れない。放課後デートなんだった』 自慢するような、得意な笑顔。 「あぁ、うん」 調子が良くなってスキップで自分の席に戻る加奈子。