そんな話をしている内に、もう目的のオシャレなカフェが見えてきた。
お店の前の看板に、“クーポンデー”と書いてある。
それを萌香が目に付くと、急に足を速めてカフェまで着いた。
『いらっしゃいませ』
ほんのり甘い香りが漂う店内には、可愛い店員さんの高い声が飛びかう。
『三名様でございますか?』
「はい」
『それでは、あそこの窓側の席にご案内しますね』
にっこり笑う店員さんは、柔らかな香りに包まれていて親しみやすそうだ。
『メニューがお決まりになりましたら、こちらのボタンを押してください』
席の端に置かれたボタンを丁寧に指すと、メニューをテーブルに置いて店の奥へと消えて行った。


