不意に、
唇に温もりを感じた。
柔らかい何かが触れている。
何が起きたのかわからないまま、目を薄く開けると、
目の前には女子の顔があった。
同じクラスの雛野 恵(ヒナノ ケイ)。
胸元まで伸びた髪の毛を二つにくくった、笑顔の可愛い女子だ。
その子の唇がオレに触れている。
そのことに気づいた途端、
オレは彼女の頭を抑え込んで、キスを返していた。
「…んん」
雛野からもれた声に、体がカッと熱くなった。
…もっと。
もっと、ほしい。
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