「もしかしたら、血を飲み過ぎて貧血を起してるのかもしれない。
気休めだけど、飲めば明日が楽になると思うから」
それを聞いて、あたしはうなずく。
声を出すことさえも、億劫になっていた。
本当に血を吸われたんだ。
力の入らない体が、実感をもたらす。
あたしはもらった錠剤を飲もうとした。
でも、手があがらない…。
ぼうっと薬とペットボトルを見る。
ペットボトルのふたは神藤くんが取ってくれていて、
薬を口に運ぶだけ。
それなのに、体がだるくて、動かせなかった。
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