「今はやめるんだ…!

ハロウィンが終われば、オレも少しは楽になって、吸血衝動を理性でおさえることができるようになる」



必死に彼女を止めようとした。


だけど、言い終わる前に、ヒナは両手でオレの頬を挟んだ。




「…いいよ」



その言葉が耳に届くと同時に、

ヒナは背のびをして、オレの唇に唇をあわした。


それはすぐに離れ、息のかかる距離でオレを見つめる。



オレはヒナが何を考えてるのかわからなくて、困惑した。



ヒナは笑った。


笑って、オレの耳もとにささやいた。



「欲しいなら、全部あげる」