血がないと空腹でとても辛いけど、

ヒナじゃないとダメなんだ。



ヒナの血しか欲しくない。



それを伝えなければ、オレ達はすれ違ったままだ。


それに気づき、オレは真実を口にした。



「吸って、ないよ」


「嘘! あたし…見たんだよ」


すぐにヒナが言い返す。



「神藤くん、柏木さんの首筋に顔を寄せてた。

血を吸ってたんでしょう!?」


その言葉で思い出すのは、柏木に呼び出されたあのときのこと。



「…ヒナが先に帰った日?」