ぎゅーっと抱きしめられる。 「頼むから、俺の前からいなくなるな」 「っ、一樹」 震える一樹の体を、包み込むように抱きしめた。 きっと、一樹も苦しんでたんだよね。 「俺、あの時ムシャクシャしてて」 ゆっくり、一樹は話してくれた。 会社の人との関係が上手くいかないこと。 プレッシャーで、仕事のことばかり考えていたこと。 私に・・・怒りという形で思いをぶつけてしまったこと。 「愛香は心配してくれてたのに・・・ごめん」