「愛香ちゃん、何かあった?」 翌日、お菓子教室の後片付けをしていたとき、立花さんが尋ねてきた。 「立花さん・・・」 「目も腫れてるし・・」 私の手に優しく触れた。 「手首も赤くなってるよ?」 立花さんは優しい。 さりげない気遣いができる人。 気力で仕事はこなせたけど、昨日の出来事は相当なダメージだった。 私は胸がはちきれそうになりながら、ポツポツと昨日のことを話した。 誰かに話さないとダメなくらい、私はボロボロだったんだ。