「・・・っ、ひっく」 しばらくの間、私の泣き声だけが部屋に響いた。 それでも、一樹の手だけはぎゅっと握った。 私の気持ちが伝わって欲しくて。 すると一樹は私の手を離し、何も言わずに部屋を出ていった。 部屋が暗いから、一樹の表情もわからなかった。 「一樹・・・」 私が、悪かったの? 我慢しておけば良かったの? 涙が溢れて止まらない。 じんじんと痛む手首をさすりながら、ここに来なければ良かったと後悔した。