「さてオレンヂレンヂでも歌うかぁ☆」 「カッコいいぜ郁斗ー!!」 カラオケボックスに入っても盛り上がれない日はなかった。 なのに今日はなぜか気分が乗らない。 原因は一つ。神楽の本性だった。 隣の若菜は放心状態で遠い目をしている。 「ボェwwwww」 スピーカー越しに聞こえるチャラ男の歌声。 なんかのアニメのどっかのガキ大将のリサイタルに来ているのかと思う。 この下手さは驚異的だ。