デスゲーム

「バカ…バカぁ…ぅ…バカぁ…バ…」

「バカでいい。何でもいい。俺は雫の側にいて、もう…勝手にどこにも行かない。

だから振り返ってほしい。勇気を出して」


雫の肩を持って腕を伸ばす。俺の腕を握ってた両手は胸に添えられた。

一時の静寂が訪れる。風は流れ、草木がざわざわと音を奏でる。



やがて雫は深呼吸して、首を少しだけ横へ回した。


「隼人……君?」

「雫の顔が見たい。俺…待ってるからさ」



振り向こうとした…が、あと少しの所でまた後ろを向いてしまった。

けど、顔を下げたままにし、前が見えないままにしてゆっくりと振り返った。

あとは顔を上げるだけ。胸の両手は何かを祈るように結ばれていた。





「ただいま、雫」


「ぐっ…うっ…ぅう…お…おか」





ゆっくりと……顔を上げた。





「おがえり゛なさい……隼人君」




とぼとぼ頼りなく、とても小さな歩幅で歩み寄る雫を…そっと抱きしめた。