デスゲーム

「っ……」


いくら待っても衝撃はこない。違う…代わりに伝わってきたのは正反対の…何かに包まれる優しい感覚だった。

ゆっくり目を開けると、私は優菜の腕の中にいた。暖かい。鞄が音を立てて手から滑り落ちる。


「そんなこと…言わないで」

「優…菜?どうして」


ただ呆然と立ち尽くす私をギュッと抱きしめてくる。


「…私黒崎は譲りたくないの。でもね、考えてみて。あいつはあいつなりに考えて私を選んだと思う。

一生懸命悩んで、考えて。だからこれは黒崎の意思で、私達は何も言えない。

それにね、今私が黒崎と別れて栞の思うようになっても…栞は嬉しい?

…それも違うよね。胸が痛くなるよね」


優菜の言うことは間違ってない。もしこれから私が拓海君の側にいることになっても……心はズキズキすると思う。

薄々感じてはいたけど…否定したかった。


「じゃあ私は…みんなとさよならした方がいい。拓海君を見てるだけで胸がチクチクするから」

「それも間違ってるよ。私は…栞と別れたくない。大好きだから。……栞と…同じくらい」