デスゲーム

「…で、実際何の用なんだ?」

「はっ、あはは。いい天気だね。……用は…特にないけど」


二人で話するだけでいいから。私は側にいるだけでいい。せめてそれだけはさせて。


「ニヤニヤして変な奴。用ないなら帰ろう。優菜待ってるだろうし」

「待って!…あの…用思い出したの」


階段へ向かおうとした黒崎さんの腕を懸命に掴む。まだいかないで。何でもいい。だから…だから私の声を聞いて。


「あの…栞って…呼んでくれてもいい?」


優菜や花梨ちゃんは、ちゃんと下の名前で呼び捨て。

だけど私の場合は「おい」とか「なあ」でしか呼んでくれてない。

それ以外だと何故か名字の「小春」になる。私だけは下の名前でない。


「ぅ…分かったよ、今度から呼ぶよ」

「今呼んで。お願いだから」


腕を離すと向き合ってくれた。今でないと呼んでくれない気がする。


「…栞。…これでいいか?」

「うん。私も下の名前の拓海って呼んでもいい?」


顔、赤っぽいな。私も黒崎さんの事言えないけど…。