デスゲーム

「…あと8分か」


時間が長く感じる。呻き声と気味の悪さで頭が変になりそうだ。



ピシッ!!



結界にヒビが入った。このままじゃ結界が破れて襲われる。だが解決策も見当たらない。


「万事休す…か。すまん雫、帰れそうにないわ」


体育館中にウジャウジャいる霊達が俺だけを見ている。こういう時でも特に驚かないのな。

どんな時でも驚いたりビビったりしたら負け。黒崎から教わったんだ。


「あと6分」


ヒビが大きくなり結界が歪みだした。もうダメか。……諦めかけたその時だった。




「どけえぇー!!」


結界に張り付いていた霊達が一瞬で吹き飛んだ。竜巻でも来たような、風圧によって。その渦の中心には一人の人物。


「シケた面してるなあ。ワシに勝ったってのに」

「お前…狼男!?うわっ」


体育館二階の窓が突如破れたかと思うと、カーテンを羽織った二人組が降り立った。


「来てやったぜ兄弟。俺が来たからにゃあ…」

「ブラザーお久さ!!ヒーローまたまた見参」

「骸骨と人体模型…。何でお前ら…」

「決まってるだろ?貴様を助けに来た」