デスゲーム

「だっ、ダメですよ。橘さんはどうなるんですか?せっかく分かり合えたのに」


雫の呼び掛けには動作もない。九条は俯いて考え事をし始めた。


「いいよ雫、俺に任せてくれ。それより早いお客様だ」


体育館の扉が開く。現れたのは歩く金次郎像。一歩ずつ確実に歩みよってくる。


次の転送まであと7分。


「あいつは大丈夫じゃの。危害は加えない。歩くの遅いし」


まあブツブツ言って本読んでるだけだし。いけるか。


「でもヤバくないかあれ。あいつの背中に背負ってるのって…」


俺の目が正しければ色々な霊を連れて来ていた。兵隊もいれば音楽家もいる。

雫は一目散に俺の背に身を隠した。


「ヤバいの。あと何分じゃ?」

「あと5分です。…え?降りてないですか?」


思わず前方を見ると、様々な霊や妖怪が体育館に足を着き始めた。ザッと見て30はいるだろう。まさに地獄絵図。