デスゲーム

「これが現実世界に繋がる裂け目か」

「ピッピー、一度に送れるのは3人まで。一度送ると約10分は起動しまセん。ではでは」


は?この穴今何つった?どこまで頭使うゲームだよ。しっかし、瞬時に計算するけどこれ…マズイよね。


「やべぇ、10分だ。確実に霊来る…つーか誰からでもいい、入れ」

「なら俺達が先に行かせてもらう。生き残ったらまたな」


俺と同じく状況を把握してる氷室が早川を連れて入った。さすがだな、回転が早い。

あと一人は…。


「すまん美鈴。行ってくれ」

「そんなのできない。さっき言ったばかりじゃんか!九条と一緒にっ…」


九条は橘の口を塞ぐと、もう一つの手で体を締めつけた。身動きを取れなくするためだとはすぐに分かった。


「ごめんな」


そう言うとまだ抵抗してる橘を無理矢理転送した。その転送の瞬間に涙が一粒落ちるのが見えた。


「これで俺達は10分後か。ところで何で結局こんな事したんだよ、九条さん?」

「ケジメだ。お前達には迷惑をかけすぎた。俺は一人この世界に残る。それが償いだ」