デスゲーム

「もう一つだ。九条と橘の関係はお前達二人に似ている。…これで分かるだろ?道が外れたのは柊と橘の差だ」

「サンキュ。九条っ、聞け」


橘ともめている所に割って入る。雫と手を繋ぎ、一緒にステージへ近付く。


「お前言ったよな?誰の力も借りないって。でもそれは反対に迷惑って意味もありうる」

「知ったような事言うな。何も分かってないくせ…」

「分かるんだよなそれが。俺もそうだったから。でもその概念を破ったのがこいつだ」


雫の手を引いてギュッと寄せ、肩に優しく手を置く。


「こいつバカ優しくてたまに無茶して、わがままなとこもあるけど、人の痛みをいち早く感じる力があるんだ。だから俺は変われた。」

「わ、わがままとかバカは余計です。恥ずかしい」

「…今、柊の性格は俺と何の関係もない」


九条は香水の容器をグッと拡散機に近付けた。話しは手短にした方がよさそうだ。早いとこ心を入れ替えさせないと。


「俺が言いたいのは、命をプライドなんかで捨てるなって事だ。自分と大切な人の命を守るのが最優先。違うか?」