デスゲーム

「九条は自分一人で『デスゲーム』を終わらせようとしている。誰にも辛い思いをさせないために。だから一人で背負って、嫌な思いも全部一人で受け入れようとしてる」


ここまでは分かった。氷室も無駄に行動してた訳じゃない。九条の心を読んだのか。きっとこの状況を予感して、打破するために。


「その原因は一回戦にあると早川から聞いたが、その一回戦での心境までは分からなかった。ただ俺からみると今の九条は、『デスゲーム』開始当初のお前と似ている」

「俺に…それってどうゆう事だよ」

「前にレインからお前の事を聞いた。お前が『デスゲーム』を一人で終わらせようとしてたってな。違わないな?」


合ってる。沙弥が死んだ時、一人でこのゲームを捜索した。誰にも頼らず、俺が『デスゲーム』を終わらせるとも宣言した。誰も犠牲にしたくないから。


「ん?俺は九条みたいに一人で勝てるとは思ってない。その人の心の支えも必要だろ?闇に飲まれないために」

「そこでこいつの登場だ」


氷室が顎で指したのは雫だった。雫はいきなりでドキッと驚いたように目を開いた。