急に橘が聞いた事のないような大声を張り上げた。金棒を目の前に突き付けられ、力無くひざまづいているまま。
「コノハ、武器をしまえ。もう橘に抵抗の気配はない。立つの手伝ってやれ」
「ううん、大丈夫。一人で立てる」
それでも力が入ってないため、コノハが肩を貸してやった。表情もパッとせず気力がない。
「勝つ事ってそんなに大切?負けても清水さんに仲間にしてもらえば、私達生き残れるんだよ!?」
「美鈴…。それは違う。負ければ他人の力を借りる事になる。それじゃダメなんだよ。
俺は決めたんだ。このゲームで辛い事するのは俺一人でいい。誰の力も借りず、何もかも背負ってやるって……あの日誓ったんだ」
あの日――恐らく沙弥を負かした日の事だな。今の九条の思考は、そこから始まった。取り返しのつかない罪悪感…か。
「清水に捨て身女、話がある。一回しか言わないからよく聞け。俺が九条と行動を共にして掴めた事を話す。まずはあいつの意志の事だ」
目線は九条に向けたままの氷室が話しかける。俺の側では雫も耳を傾ける。
「コノハ、武器をしまえ。もう橘に抵抗の気配はない。立つの手伝ってやれ」
「ううん、大丈夫。一人で立てる」
それでも力が入ってないため、コノハが肩を貸してやった。表情もパッとせず気力がない。
「勝つ事ってそんなに大切?負けても清水さんに仲間にしてもらえば、私達生き残れるんだよ!?」
「美鈴…。それは違う。負ければ他人の力を借りる事になる。それじゃダメなんだよ。
俺は決めたんだ。このゲームで辛い事するのは俺一人でいい。誰の力も借りず、何もかも背負ってやるって……あの日誓ったんだ」
あの日――恐らく沙弥を負かした日の事だな。今の九条の思考は、そこから始まった。取り返しのつかない罪悪感…か。
「清水に捨て身女、話がある。一回しか言わないからよく聞け。俺が九条と行動を共にして掴めた事を話す。まずはあいつの意志の事だ」
目線は九条に向けたままの氷室が話しかける。俺の側では雫も耳を傾ける。

