デスゲーム

「ほぇ……ぇえ!?」


俺の後ろに小さく隠れる雫。感じる、黒崎と同じオーラを。


「来ないのならいいが?宝玉はやれないな」

「おい、そんな要求は俺が認めねえぞ。他のにしろ」

「…柊行きましょう?これも宝玉のため、宝玉のためならみんなのため。簡単でしょ?」


早川に強引に連れ去られる雫の手を思わず掴む。行かせたら、マズい。


「隼人君ごめんなさい。そうですよね、みんなのため。私頑張ります。さようなら…いってきます!!」

「あっ、ちょっ!!」


手を振り払い二人してヒサギの元――もちろん両脇にセッティングされた。

あの振り返り際、完全に諦めたような瞳から涙が空を舞うように見えたのは俺だけだろうか。


「何をやっておるのじゃ。だから注意したのに」

「コノハぁ止めてくれ」

「無駄じゃの。人間にもいるじゃろうて、無類の女好きが。それと同じじゃ」


近い、3人の顔が近い。ヒサギの野郎、肩を強引に引き寄せやがって。

…仕方ない、一回地獄を拝ませてやるか。