デスゲーム

バカか。そのまま仁王立ちして待ち構える。

刻一刻と俺の顔面目掛けて右ストレートが迫ってくる。そして数十センチと拳が迫ったその時…。


「ふっ!」


首を傾け右ストレートを軽く受け流し、身体を小さく屈める。



ヒュッ…ドスッ!!




素早く、肋骨の隙間に貫手を入れて肺を強打すると、鈍い音と共に男が崩れ落ちた。



「誰も俺が喧嘩弱いなんて言ってない」


うごめく姿に淡々と吐き捨て、その上見下し殺気を放つ。単純な動きで良かった。一発KOだ。


「う……があ。……トランプに…小回りが効く。…そうか、お前は【漆黒の帝王】の弟子、【灰色の狼】か」

「ただの2年前のユーザー名なんだがな…。まだ俺に殴られた手首と脇腹も痛いはずだ。…病院に送られる前にさっさと帰れ!!」


情けない声で這いずりながらも遠ざかっていく。本物のバカだったな。


「柊終わった。…なんでお前が怯えてんだよ」


振り返ると、柊は口をパクパクさせながら絶句していた。


「だって一瞬で一撃で。…でもってトランプが刃物みたいに」