デスゲーム

引き込まれるって…。お化けでも信じてるのか?


「わがままも大概にしとけ。俺忙しいから…」

「やっと見つけたぜ。お前らタダじゃ済まさねえ」


げ…。公園の入口辺りからさっきの男がズカズカ近づいてくる。今までずっと探してたのか?ドスのきいた暇人だな。


「貴様ら許さんぞ。俺の気が済むまで……痛っ」


トランプがペチッと男の頬に当たる。俺がカードケースから素早く投げた物だ。


「それ以上近づくな。近づいたら容赦はしない」

「そんな子供騙しなんか怖く……え」


次にピッとカードが頬をかすめると、遅れて血がツーっと流れた。


「忠告はした。次は刺さるぞ?こっちには後52枚のストックがある」

「清水君?」


柊が弱々しい声を上げる。多分俺の殺気を薄々感じているのだろう。その大半はチンピラに向いているのだが。


「なら投げる前に殴ればいいことだろ!!」


走ってくるか。考えたがまだまだだな。


「柊、これ持ってて」

「あ、はい」


カードケースを渡すと柊と距離をとる。走るチンピラを待構え、向かい打つために。


「女を守るつもりか?俺でなかったら守れたのにな」