デスゲーム

平衡感覚を惑わす乗り物ばっかじゃねえか。頭がぐるんぐるん回ってる。沙弥って遊園地大好きだったのな。


「観覧車で少し休憩しよっか」

「それ賛成」


乗り物からは離れずか。観覧車に乗るとたちまち音が消え、二人だけの空間が生まれる。


「「あのさ、」」

「…レディーファーストでどうぞ」

「こんな時にだけ…。あのさ、プレゼントがあるんだ。はいこれ」


沙弥の手にかわいい熊のストラップが顔を覗かせた。

手のひらサイズで沙弥らしいストラップだ。


「いいのか?ありがとな。俺何も用意してないからまた今度お返しするわ」

「気遣わなくていいって。私の勝手。御守り代わりに大切に持ってて」

「分かった。じゃ、大事にするよ」


沙弥と同じく携帯に付ける。お揃いの動物で、共通点ができたみたいで嬉しい。


「次は俺の番ね。前に俺の目を伏せてしたのって……キス…だったりする?」


沙弥を家まで送ってった時のあれ。前から気になってた。


「えっ!?あ、あれ…ね。そう…だったらどうする?…私の事嫌いにな…」

「るわけねえよ。そのさあ…もう一度できないかな?もう一度、いきなりじゃなくてちゃんとしたい」