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それから適当に午後の授業を受けて放課後になった。正門へ向かうと既に待っててくれてた。
「待ったか?」
「待ってないよ。行こっ」
沙弥から手をそっと繋がれる。福家のことは頭の隅に置いているが、もうどうでもよかった。
今は沙弥と一緒にいたい。福家の情報によって沙弥が傷つくなら、いっそ忘れ去りたいくらいだ。
「どうしたの?浮かばない顔して」
「ん?沙弥ともっと仲良くなれる方法考えてた」
「ちょ…いきなりそんな発言しないでよ。…でも嬉しいな…」
嘘でもあるし、本当でもある。頭では考えてなかったが、不意に浮かんできた。ということは多分本音だろう。俺の中で沙弥の存在が大きくなってゆく……証拠。
今日のような平穏な毎日が一瞬に過ぎていき、一週間が経過した。
そして…

