デスゲーム

「ご丁寧にどうも。よし、今からお前に課題を出す。

ケジメをつけろ。このままその彼女と平行線を辿るか、線を傾かせて交わらせるか。

どちらか選べ。そんで一週間以内に結論を出して彼女に会いに行け」

「おいおい無理だって。今の俺じゃ…」

「聞こえない。約束破ったら氷室が攻めてきた時に多大な利子がつく。いいな!」


苦しそうな顔しやがって。最後の釘うちが効いたみたいだな。


「分かったよ。…ったく昔から頑固なんだから」

「難しく考えるなよ。さっきの自分の言葉を思い出せ。答えは出てるはずだ」


多少思い詰めた後、何かに気付いたようだ。


「気持ちに正直になれば相手も振り向いてくれる。『意志は違えど心はままに』だろ?」


俺と川藤だけが知ってる、中学の先生から教わった言葉だ。


「そうだったな。俺が悪かったって土下座してでも仲直りするわ」


単純っていいよな。いい言葉を出すとすぐに鵜呑みにする。でもあれは正しき道への合言葉みたいなもんだ。俺も随分世話になった。