デスゲーム

「本当にごめんね。このままじゃ私が私でなくなるから」

「…それって大丈夫ってこと?」

「……大丈夫。心配ないよ」


俺の手を握っていた沙弥の手から力が抜けていく。それと同時に髪から良い香りも伝わる。

...沙弥の悩みって一体なんなんだろうな。


「ありがと。…不思議だね。隼人が私の名前を知ってからほんの3日なのに、こんなに親しくなれるなんて」

「俺も正直驚いてるよ。どうしてここまで親密的になったのか」


最初は福家のこともあって、利用するつもりだった。でも今は違う。沙弥を守りたくて、手放したくない。

推測だが福家と沙弥は危険な何かによる繋がりがある。それ故に日々守りたいという想いが増大して仕方がない。

それに、もう二度と心を閉ざした沙弥も見たくない。


「もうちょっとだけ、このままでいて。お願い」

「何時間でも気がすむまで付き合ってやるよ」

「そう。ありがと」


沙弥は目を瞑ったまま、そう言った。今にも消えそうなくらいか細い声で。