【短】甘苦い*すき

「逃げんなよ……傷つくじゃん」




彼らしくない、小さな声だった。




傷つけた?




わたしなんかに、逃げられただけなのに



クラスのみんなは、きっと。




気付いてもいなかったはずよ?




あなたがいなくなるまでは・・・・・・



ほんと、優しい……




「これ、受け取って欲しいんだけど」




カーテンにくるまるわたしに、むかって彼が言った。





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