遠くて温かい

「まぁ、戸部さんの選んだ指輪はダイヤで…値段もその美乃にあげた指輪よりゼロが一つ多かったな…。

あの指輪もらう人ってどんな人なんだろう。

いよいよ戸部夏基も一人の女のもんになるんだな」

「…」

「ん?どした?」

「戸部さん…」

「は?」

「戸部さんが…」

ぶつぶつ呟く私の様子をしばらく見ていた駆の表情が次第に暗くなっていく…。

テンション下がるのは私の方なのにな…。

「美乃も戸部さんのファンなのか?」

「…!」

「確かに戸部さんは男から見てもいい男だと思うよ。仕事もできるしな」

「ちょっと…」