俺はアイリに失恋の理由を話すことにした。


「前に付き合っていた。彼女が俺の知らないあいだに別の男を作って、一緒に逃げたんだ」


「光は哀しい思いしたんだねぇ」


「私は大丈夫ですよぉ。そんなことはしませんから」

「ありがとう」


「俺は失恋のことは過去のことだと思っているし」


「俺が働いている会社の友人も俺のことを励まして、くれたりしてさ」


「いいお友達がいるんですねぇ」


「私はそういうのはいないから、羨ましい」


「そうかな〜酒好きで陽気な人で、悩みがあると聞いてくれる島田上司と」


「酒に弱くて気分屋で、酒を飲ませるとすぐに酔って、以外なことを言ったりする」

「やさしい同僚の立花さんって言う人が俺の友人なんだ」


「失恋したことを相談したら、夏までに新たな彼女ができることを」


「応援されて、できるかな〜なんて、思っていたけど」


「そこにアイリが現れて、いきなり告白されるとは思わなかったよ」


「携帯電話を届けて、お礼と言われて、食事したときから、私は光のことが気になりはじめたんだぁ」


「また逢えるよと言われたのときに」


「私は再び逢えることを信じていたんですよぉ」