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「一葉、起きろ、一葉っ!!…よだれ垂らして寝てるんじゃねぇよっ!!」



「…ふにゃぁ?…先輩、どうしたんですかぁ?」



先輩の声が聞こえて、うっすらと目を開けると…台所には先輩の姿があった。


「…これは玉子焼きの甘い香り、ご飯…チョコケーキ…」



「どこにチョコケーキがあるんだ?朝からアノ洋酒が効いたケーキを食う気か?」



ブツブツ言いながらも、朝御飯の支度をする先輩は格好良くて…惚れ直しちゃいますっ。



まるで新婚さん生活のような、甘い雰囲気が漂う食卓。



もしも結婚する事になったら、一葉が御飯を作って…おはようのチューなんかもしちゃって、それから、それから…。



「さっさと用意して、食え。今日から冬休みだけど、俺は予備校行くからな」



「わふっ!?…はぁい」



台所からタオルが飛んできて、顔にあたると花のような優しい柔軟剤の香りがした。



どこのメーカーか調べて、お母さんに同じにして貰おうっと。