「泉も葵も、早くご飯食べなさい♪遅れちゃうわよ~」

『はーい!』


ママはいつも温和で、海みたいな心を持ってる。

お姉ちゃんはいつも真っ直ぐで、おっきな木みたいに芯がある。



私は…。

自分1人でいられない。


目覚まし時計はママと。

パジャマはお姉ちゃんと。

学校だってお姉ちゃんと同じ、県下トップの第一三ツ葉高校。

カバンのメーカーも、何もかもお揃いにしてきた。

私には、“私”がない。

これが、私のコンプレックス…。

ママやお姉ちゃんみたいに、もっと自分を出したい…好きな服を着て、好きなように生きたい…。

でも…やっぱり出来ないよ。

だって…だって私はっ…