君はここにいた。



「あぁ…大丈夫」


 槝木から目を逸らし、小さく頷いて見せる。



 槝木が小さく笑うのが聞こえた。


「そっか。じゃぁ、行こうぜ」

「え?」

「入学式。行くんだろ?」

「あ、あぁ」


 いつのまにかフェンスを越えた槝木が、また俺の腕を引く。


 なんだよ。
 さっきまで、サボる気満々だったくせに。