「ふーん。お前ん家、大変なんだな」 槝木が、素っ気なくリアクションする。 その態度に、俺は少しムッとした。 「槝木ん家もだろ? 幼稚園も小学校も私立なんだし」 そう言った直後、周りの空気の温度が変わった気がした。 冷たい。 恐ろしい。 背中にひんやりと、寒気が走った。